おきなわ緑と花のひろば

緑化活動

宮古(與那覇 巌 さん)

美ぎ島宮古(かぎすまみゃーく)グリーンネット
事務局長 與那覇 巌さん

 台風14号をきかっけに
「災害に強い、花と緑に包まれた宮古島」
100年の計で植樹活動

2003年(平成15年)、非常に大きな台風14号が宮古島を直撃。最大瞬間風速74,1メートルで荒れ狂い、宮古島中に大打撃を与えます。農業、観光、ライフラインなど合わせて被害総額は132億円超。台風の被害から宮古を守るにはどうすればいいか、「災害に強い島づくり」が緊急の課題でした。

県、宮古島市の検証で農地を守るため計画されていた防風林が機能していないことがわかりました。そこで植樹を主な活動とする「美ぎ島宮古グリーンネット」が平成17年スタートしたのです。以来8年間、植えた木は1万9千8百79本、参加したのべ人数3千2百76人。まさに「島ぐるみ活動」です。

 

事務局長與那覇巖さんに伺いました。

 

台風14号から植林の大切さを

「以前の大きな台風(たとえば第1、第2宮古台風)のほうが、最大瞬間風速は強いのに、被害は14号台風のほうが甚大でした。土地改良、農地整備、つまり「面整備」をしたとき、台風対策の防風林帯を作るために、6メートルの幅で計画しました。ところが植樹しても後の手入れができていなかったため、計画通りに木が育たなかったのです。畑を作るために山林を崩したことも重なりました。畑に吹き付ける暴風を遮るものが何もなかったわけです。こういうことが14号の被害を大きくした原因のひとつでした」

 

植樹と育林、100年先の宮古を目標に

「そこで平成17年、県、市町村、宮古の経済界、住民などみんなが参加する『美ぎ島宮古グリーンネット』を設立されました。目的は、植樹により防風林を完備して防災に強い島づくりをすること、花と緑に囲まれた美しい島づくり、の二本柱。

樹木は育つのに時間がかかります。立派な防風林ができるのにはおそらく100年かかる、つまり『百年の計』で活動を持続させていこうと考えられたのです」

 

最高200人が参加

「活動は年1回の植樹と、4~5回の草刈や施肥など植樹後の世話をする育林。一回の参加者は今までの最高が200人、常に100人前後と参加してくれます。

体を動かす健康管理も兼ねて来たよという人もいるし、地域の自治会の呼びかけで交流会を兼ねて参加したという人もいます。小学生の『緑の少年団』が来てくれるし、県外からの参加者もありますよ。自分が植えた木が、宮古に来るたびに大きくなるのを確認できたらうれしいでしょうね。

暑い時期は大変です。でも帰り際に『いい経験をありがとう』といってくれる人が多く、私もうれしくなります」

このような地道な活動が認められ、平成23年「ふるさと百選」交流部門で認定。「セブンイレブンみどり基金」なども受けています。

 

場所によって種類が違う

「一回に植えるのは5,6種類。宮古にある樹木から選びます。テリハボク、フクギ、イヌマキ、タブノキなどは防風林用です。森作りには花が咲くイペー、ブッソウゲ、カンヒザクラ、トックリキワタ・・・などです。

 

 

百年後の宮古島

「比較的成長が早い樹木を使った防風林でも、成林といえるまでに2~30年。フクギは50年かかります。本当に100年かかるのです。しかし小さな積み重ねが実を結んで100年後の宮古島は花があふれ、緑に囲まれ、災害にも強い島になっているはずです」

 

美ぎ島宮古グリーンネット

年会費/個人会員2、000円、団体会員10、000円の年会員。

会員数/341人、60団体(平成23年8月)。

会長 下地敏彦(宮古島市長)

事務局長 與那覇 巖(宮古森林組合常務理事兼任)

宮古島市平良字東仲宗根968-3 宮古森林組合内

 

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