伊平屋島の最北端、田名岬の山は海岸近くから山全体がクバ(ビロウ)に覆われています。そのため、島の人々は田名岬の山をクバ山と呼んでいます。ビロウは宮崎県から台湾、中国南部まで自生するヤシの仲間で沖縄の島々でも普通に見ることができます。昔から神様の訪れる木として大事にされ、御獄などによく植えられたようです。海岸近くの風の強いきびしい環境にも生える植物です。遠くから見るとビロウだけのようですが、その他、タブノキ、トベラ、ホルトノキなどもあり、小さな島に発達する植物の様子を示す一例として貴重なものです。「田名のクバ山」は県の天然記念物にも指定されています。
文章引用:沖縄県教育委員会(1993)「沖縄の文化財Ⅰ天然記念物編」
伊平屋村の推薦者によると、クバ山から採ったクバで、小さい頃おじいちゃんがクバ笠や扇を作ってくれました。クワガタやカブトムシ、ヤシガニ等も生息しており、よく取りに行きました。晴れた日は頂上の伊平屋灯台から辺戸岬、与論島、沖永良部島がみえて、空と海の青とクバ山の緑がとても美しい場所で、ふるさとの名所として大切に守りたい場所とのことです。
登録番号 | 083 |
---|---|
登録年度 | 平成29年度 |
所在地 | 伊平屋村字田名地内 |
緯度・経度 | 27.091117_128.020299 |
備考 | 「田名のクバ山」は昭和33年1月17日に県指定天然記念物に指定されています。 |